お仕事における注意障害~高次脳機能障害~
ルポライターの鈴木大介さんと、高次脳機能障害・失語症の方を対象にインタビューをして、冊子を毎月発行しています→「脳に何かがあったとき」
今回は、会社員Wさんのお話です。
注意機能とは
脳の機能は階層性をしていると仮定されています(見えないので、これはあくまでも仮定です)最もよくそれを説明していると思うのが
神経心理ピラミッドといわれるものです。下位の機能が障害されていると、上位の機能が発揮されないと考えられています。
しかし、完全にある機能が回復しないと、自宅に戻って生活したり、仕事ができないというわけではありません。障害がある中で、仕事をしている人はたくさんいます。そこではどんな困りごとがあるのか、Wさんの場合はこちらです。
資料の作成なんかのときに、パソコンのモニターに並んでいるたくさんのフォルダの中から、対象のフォルダやファイルを探し出して編集しますよね。このたくさんあるものから特定のものを探すことがすごく苦手で、えらい時間がかかってしまうんです。自分のメモした紙の中から、必要な情報を探し出すのも苦労しますし、そもそもメモ帳を探すのに時間がかかったりするんです。
さて、注意機能はすべての認知機能の基盤と言われ、「選択」「配分」「転換」「持続」「容量」などに分類されます。ここに書かれているファイルが見つからないエピソードに関係するのは、たくさんの情報の中から、自分が必要な情報を取り出す「注意の選択」です。選択する前に、情報を「選別する」必要があります。
これらが難しくなると、スーパーで欲しい商品を探せない、探し物が見つからない、手帳を開いても確認事項がどこに書かれているかわからないなど、非常に生活が不便になります。視覚だけでなく、雑音がある環境で、相手の話を聞きとる事が難しくなります。周囲の人には、何かぼーっと眺めている、話を上の空で聞いているように見えます。そんな時こそ、本人は必死で、必要な情報をかき集めようとしているのですが・・
どうしたらいいの?
一つは環境を整えることですね。なるべくシンプルに、ルールを決めてものを収納する。
パソコンのフォルダも、規則をきめて整理する。
共有で使用している場合は、自由にできない場合もありますが、そもそもルールを決めて整理しておくと、だれにとっても便利なものです。
一つは機能改善を目指すです。ウオーリ―を探せ!とか、ゲームアプリとか、楽しめるものをみつけてください。
カレンダーもある!笑
おしらせ
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