失語症回復への希望を伝える – AI×言語聴覚士「スピーチリンク」

失語症回復への希望を伝える – AI×言語聴覚士「スピーチリンク」

こんにちは。言語聴覚士の多田紀子です。私は2019年からオンライン言語リハ「ことばの天使」を開始し、これまでに延べ350名以上の失語症・高次脳機能障害の方々にサービスを提供してきました。オンライン言語リハの利用者であった石渡達也氏と、失語症トレーニングアプリを開発中です。先日、新聞に掲載頂きました!今日は、アプリ開発至った背景についてお伝えします。

「6か月プラトー説」は事実なのか?

オンライン言語リハビリ「ことばの天使」でも、退院時に「失語症はこれ以上改善しません」と告げられた方が何人もいらっしゃいます。しかし、リハビリを継続することで着実に回復されています。

「回復は半年間」という説明は、実は医療行政上の都合に過ぎず、エビデンスに基づいたものではありません。そもそも、失語症に関していえば、数十年前から長期回復についての論文が多数あります。

臨床40年近くの浮田弘美先生は、「失語症の回復に限界はない。限界があるのは、私たちセラピストの関わり方です」と言います。つまり、「回復しませんよ」という言葉は、私たち専門職の言い訳ではないかと思います。

ことばの呪縛

病院では予後予測として「このくらいまでしか回復しない」という「予測」を伝えます。しかし、実際にはこの予測はあまり当てにならないものだと実感しています。「ここまでしか回復しない」と言われるから、本当にそこで止まってしまうのではないでしょうか。

心理学の研究では、高齢者に「加齢とともに記憶力が低下する」という暗示をかけると、記憶力テストの成績が顕著に落ちることが示されています。言葉の力は、それほどまでに強いのです。

新しいリハビリの形「Speech Link」

私たちが開発中の「Speech Link」は、AI×言語聴覚士のハイブリッドリハビリアプリです。オンライン言語療法の経験と知見から生まれました。生活に戻った100名以上の失語症の方々との関わり、そして数多くの当事者インタビュー調査を通じて得た「希望の根拠」を、最新のAI技術と組み合わせています。

「呪いの言葉」ではなく「希望の言葉」を届け、その希望が実際の回復につながる確かなサービスを提供する。これが「Speech Link」に込めた私たちの想いです。

新聞記事はこちらから!

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/416208?fbclid=IwQ0xDSwLYlOdleHRuA2FlbQIxMQABHnCPjSZcmxIUVUkQ9G0XJ4aUhXXHq255-KU0IjvwCJ8iJDKhyUzEPK9-x7yH_aem_ykRrdBWsfepkCVki9ATmcQ

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