会話に必要な要素〜理解〜
聞く読む書く話すこの4つの言語機能が低下するのが失語症ですが、脳を損傷した場合、失語症でない人でも会話になると理解が難しくなる場面が見られます。
病院であまり気が付かれないのですが
せいぜい
「注意が続かないから、話を聞いてない」くらい。それも相手の表情をよくよく観察している支援者がないと、気が付かない。
ところが会話に必要な機能は言語理解だけでなく
- 思考
- 注意
- 記憶
- 知的機能
- 情動
- 表情を読む
- 状況を判断する
などが必要になります。
なので、高次脳機能障害になると会話が難しくなります。
この辺りのことをこちらの本でわかりやすく書いてあります
思考速度の低下があり、相手が話した言葉の意味を考えているうちに話が進んでしまう。ワーキングメモリが低いため、相手の話を聞いているうちに、すでに聞いた内容忘れてしまい、話が繋がらなくなる。注意障害によって「聞き流してもいいような話の枝葉」「理解できなかった言葉の意味」に注意が集中し、その間に相手の話が進んでしまう。周囲の騒音、光、におい、あらゆる無視してもよい情報に注意が飛び、相手の話を聞くことだけに集中できない。気づくと相手が何を話したのか、何を話したいのかわからなくなってパニックになる。その後は相手が話しているのが日本語なのは理解できても、意味が頭に入ってこなくなる。どうでしょう、聞き取れないの背景にはこういった要因があると推測できます。ちなみに、このワーキングメモリーが低いという症状は、「水を筆につけて、白い半紙に字を書いたらどうなるか」を想像してもらえたらわかりやすいです。どんどん乾いて、何を書いたかすぐにわからなくなってしまいますよね。こんなふうに、いま聞いたばかりの言葉や、見たばかりの文字などの記憶が、すごい勢いで頭の中から消えていくような感じ。病前の脳の3倍とか5倍とかの速さで消えていってしまう感じ。これがワーキングメモリが低下している状態・・・なかなかの拷問です。
ところで、私はここにある聴覚過敏について、今まで配慮してなかったのですね。なぜなら言語室と言うのは個室で静かな場所だから、病院にいる時は気がつかなかったのです。リハビリ室に行くと言語の理解が低下していたかもしれませんが、それは、周囲に人がたくさんいるから、注意散漫になるから、相手の話に集中できないのだと勘違いしてました。これが真逆なんですね。
全身全霊の全力疾走でがんばって
聴覚過敏だと、そりゃ、生活場面では大変苦労するだろうなと、想像がつきます。騒音の中で生活してるようなものです。。もっと早く気がついていたら、声かけも、退院の時の情報提供も変わっていただろな
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