失語症の方・ご家族の方へ〜体験を形にしませんか?〜
失語症は、脳血管疾患などにより、脳内にある言語中枢が傷つくことで「聞く」「読む」「書く」「話す」が困難になる症状です。
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失語症の社会的背景
失語症は、学術的には高次脳機能障害の一つです。最初に発表された症例は、1860年にブローカ医師が出会った「タン」としか発話が見られなかった男性です。高次脳機能障害の中では最も早い時期から研究されてきました。
欧米では、2度の世界大戦の後、傷病兵の社会復帰の必要性からリハビリテーションが進みました。ASHA(アメリカンスピーチラングイッジ&ヒアリングアソシエーション)設立は1925年です。
日本でも1900年以前に、症例報告は散見するものの、本格的に研究・治療が始まったのは1970年代です。このあたりについてはこちらのブログを
残念なことに、50年近くたった今でも、医療や介護の現場では失語症については理解が進んでおらず、いまだに、こんな場面が見られます。
- ベットサイドに50音表が置いてある(失語症の方には、とても難しいです)
- え?何ですか?と言われる(言いたくても言えないのに)
- 聞いてなかったの?(一生懸命聞いてるのに)
もちろん、社会における認知もまだまだです。NPO法人失語症協議会が実施した「生活のしづらさ」アンケート調査には、たくさんたくさんの困りごとが書かれています。こうした経験の中で、話すことを諦め、どんどん言葉を閉ざしていく人がいるのです。
4月25日 失語症の日
失語症をもっと知ってもらおうと、失語症の日制定に向けて、準備委員会が発足しました。まずは「記念日協会」による認定を目指し、2019年の暮れに、認定費用を集めるためのクラウドファンディングを実施。非常に多くの方、会社に支援をいただき、めでたく「失語症の日」が認定されました。
なぜ4月25日なの?と思われた方も多いでしょう。
「し・ツー・ご」で「失語」、つまり語呂合わせです。この件については、疑問を呈する声もありましたが、たくさんの人に知ってもらうために決定しました。
コロナウイルスの感染防止対策のため、会場でのイベント開催は中止となり、YouTubeで、全国にライブ配信、延1400名超が視聴しました。
声を上げて知ってもらおう
さて、この第一回記念イベントの数日後、TBSで失語症の特集が報道されて、こちらも「知らなかった」と反響を呼びました。
2018年に始まった、失語症者のための意思疎通支援事業では、一般の方が失語症について学び、会話サポーターとなるべく学んでいます。
このように時代は少しずつですが、失語症者とともに生きる社会に向けて進んできています。
失語症がなかなか認知されないのは、当事者が、話す・書くことが難しいので「声を上げにくい」のも要因の一つです。
もっと多くの人がこの障害について、知っていけば、より多くの失語症者が生きやすい社会になります。
医療や介護の現場で働く人たちが、当事者や家族から学ぶことがたくさんあります。
ぜひ、ご自身、ご家族の体験を、形にしませんか?
ちなみに脳卒中の日は6月29日、欧米でも啓発活動が行われています。日本脳卒中協会では、毎年、体験記を募集しており、選出された作品は小冊子にまとめています。今回は、以下、いくつかの企画に活かしたいと思っています。もちろん、何に参加するかは相談いたしますし、アイデアも募集します
- ブログに掲載
- 希望者は音声や動画をYouTubeで配信
- 出版(こちら出版社に企画を持ち込みますが、他にもクラウドファンディングで資金をあつめオンデマンド出版も検討中)
- 学会発表( こちら研究計画については、練っているところです )
- オンライン当事者会で発表(こちらは、ご本人や家族の方に行っていただきます)
ヒアリングだけで終わらない、その先に多くの人とのつながりが生まれるような企画にしたいと考えています。
言語聴覚士として、「微力ながら無力ではない」そんな思いで、取り組みます
方法は、ラインかzoomを使用します。詳細については、こちらにお問い合わせください
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