失語症の方がいる家族さんへ~家族ならではのコミュニケーション

失語症の方がいる家族さんへ~家族ならではのコミュニケーション

 失語症の症状がい重の方でもやり取りを上手にしているご家庭もあります。日々、言葉通じなくてもコミュニケーションが取れるという経験を積んでおり、習慣化しているようです。例えば、Yes,NOでコミュニケーションを重ねていく。レストランに行ったら「これにする?」と指差しして表情を見る「こっちがいい?」といってまた確認。そうして本人が食べたいものを注文する。私が好きなご夫婦はいつも「~だよね?」といって顔を覗き込み、ちょっと表情が曇っていると「あれ?ちがう?じゃ、これ?」という、このコミュニケーションの積み重ねが、もう、習慣化しているようです。表情が何段階かあって、めっちゃYesから、ちょっとだけYES,どちらかと言えばYESみたいのも判るようです。この表情を読み取るだけで、家族さんは仕事の相談などもしているそうです。「別に、困らないですよ、私は」とさらりと言っていました。 

  確かに、言語聴覚士として、重度の失語症の方が言いたいことを探していくときに、「それです」と合った場合はいいのですが、違ったときに「では、なんだろ?」と探っていくのが、時間がかかるのですよね。こういう時は、大きなカテゴリーから段々絞り込んでいくというのがセオリーです。「昨日何を食べましたか?肉ですか?魚ですか?」から「牛肉ですか、豚肉ですか、鶏肉ですか」から「揚げ物ですか?焼いていますか?」といって、「ステーキですか、ハンバーグですか、すき焼きですか?」みたいな・・まあ、これは聞く練習にもなりますし、文字を併用したら読む練習にもなるので、時間がかかってもいいといえばいいのですが。でも、家族さんは、そもそもご本人について、知っている情報が多いので、他人の言語聴覚士と比べて、いわゆるヒット率は高いですね。なので、毎回でなくてもいいので、簡単なことから、Yes,NOで、会話を続けてみてください。失語症のある方は、話せないという状態が目立ってしまうために、家族としては「話せるようになってほしい」と考えることが多いのですが、コミュニケーションというもの言葉以外でも図ることは可能です特に失語症のある人は、持てる能力をフル発揮して、言語以外の情報で受け取ろうとします。ですから、こちらの身振り手振り、または周囲を状況判断することなどで「なんとなく」分かっています。長く生活を共にしている家族さんならではの、コミュニケーションができるといいですね。

 さて、失語症の方がとても疎外感を感じるのが、家族でされる大事な話し合いにの場に、参加できないことです。特に、家族で、お子さんの受験のことを話したりまた、ローンの話や親戚との行事の話のような複雑なものを話したりする時に、「どうせ分からないから」と、話の輪外に追いやられるのはとても辛いものです。言葉がスムーズに話せなくても、知的機能に低下はありません※一部、合併している人もいます)ご自身に関わること、例えば介護サービスをどうするか?などは、ぜひ、同席してもらってください。事前に、こんな話をするよ、どう思う?これでいい?という意思確認をしておくと、その場で理解が進みやすいです。

 失語症のある方は、相手の表情やジェスチャーその場の空気感など言語以外のものから、情報を取ろうと頑張っています。その能力は、失語症がない人よりも非常に長けていると思われます。ここだけでの話(と言っても書いていますが、笑)介護士さんやヘルパーさんとかで、あまり失語症のことを知らない職員が、普通にしゃべりかけている場面を、病院や施設で見ます。言語聴覚士としては、「こんなのわかるわけないやろ!」「2語文で簡単に言ってあげてよ!」と突っ込みたくなるのですが、こういうおしゃべり好きというか、人好きな人は、表情やジェスチャーも豊かな人が多いので、なんとなく伝わっているようです。「~さん、そうなんや」とか言って、勝手に会話を進めたりして、「いや、それ確認になっていない!」とか言いたくなりますが、それが楽しいという失語症の方は多いです。要件を伝える会話でなければ、雰囲気を楽しむというのも有です!

 そして、家族団欒の場では、本人が付いて来ていないのに、つい、みんなで盛り上がってしまうということがあります。盛り上がること自体がいけないわけではないので、そんな時は気がたらすぐ、「ごめんねこういうことなのよ」と平易な言葉で説明すると良いかなと思います。

私の活動をご紹介

すべての人が、自分らしく社会参加できる、自分の力を活かして稼げる「幸福な経済圏」が作れたらいいなと思って活動しています。

  • 当事者の社会参加と家族ケア・啓発活動
    NPO法人Reジョブ大阪
  • スマホやタブレット、PCで!言語聴覚士によるオンライン言語リハビリ
    くるみの森 オンライン言語リハ
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  • 当事者、支援者、家族がともに学び合うオンラインサロン
    脳ケアゼミ
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    現場19年、大阪の元気な言語聴覚士が、患者から学んだ人生の処方箋。
    コロナ禍の中、先行き不透明な時代にこそ、多くの方に読んでほしい!
  • 講演・研修多数
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