会話を聞く能力~もっと知りたい失語症 その4~言語聴覚士のお仕事~
前回は、単語や短い文章についてお伝えしました。本日は、長文です。
私たちは、日常生活では、たくさんの単語をつなげて、会話をしますね。例えば、「今年は、梅雨が明けてから、ほんとに暑くてたまらないよね。毎日、カフェにこもってるんだけど、カフェに来る人、どんどん増えてきてるよ。」このような会話は普通にありますね。いくつもの単語を、助詞や接続詞でつなげて(または、省略して)話をします。
こうした発話を聞いた失語症の方は、一つ一つの単語や関係性を理解しようとするのですが、理解するための情報処理のスピードが、相手の発話速度に追いつけないことがあります。
さらに、記憶の容量も関係します。 記憶の容量とはバケツをイメージしてみてください。私たちの頭には相手が話す内容を全て入れるバケツのようなものがあると仮定して下さい。そのバケツが小さくなるとどうなるでしょうか?相手の話の前半、つまり先程の話では、「梅雨が明けた」は入るけれども、その後の文章が入らない。または「カフェにどんどん人が増えている」と言うのは、頭に入るけれども、前半が何だったのかわからない、こうなると、「結局なんだったのかな?」という結論、または「なんでカフェに?」という話の前提が、共有できなくなるので、ちょっとした会話のやりとりが、難しくなります。
よく「聞くのはできるんです」と本人も家族もおっしゃるのですが、よくよく評価してみると、このレベルになると課題が残っていることが多いです。もっと言えば、軽度の失語症の方も、ここの段階では「就労の場」では、悩まれます。
私が提供しているオンライン言語リハでは、軽度の人向けに、長文の聞き取り、さらに言えば、メモ書きの練習を行っています。復学や復職される方には、必須のトレーニングだと考えています。
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