脳卒中急性期における低栄養と嚥下障害No2〜言語聴覚士のお仕事〜

脳卒中急性期における低栄養と嚥下障害No2〜言語聴覚士のお仕事〜

医療と健康、そしてリハビリの情報〜言語聴覚士というお仕事〜本日もよろしくお願いします。前回は、急性期病院において、低栄養の人がとても多いこと、また低栄養が長期にわたって患者さんの予後に影響することを書きました。それでは、低栄養がこれほど重要なことと認められているのでしょうか?

まずは現場スタッフの意識は?

急性期病院では、まず優先されるのは「救命」、そして「治療」です。私が実施したアンケート結果では、「バイタルサイン」「治療方針」「合併症」「既往歴」など「全身状態」に関わる項目については、ほとんどの人が「関心がある」としていますが、「体重」「食事摂取量」は管理栄養士や一部のリハビリ職が「関心あり」にしただけでした。

診療報酬では?

病院や診療所は、診療報酬(こちら医師会のサイトです)という厚生労働省が定めた点数によって、対価が支払われます。ざっくりといえば、「必要と思われている医療には点数がつきます。

そして、  NST栄養サポートチームという多職種で栄養状態が悪化している患者さんに対して、治療や合併症の予防としての栄養管理を行っていく活動があります。この活動については、週1回200点(2000円)が算定されます。

しかし、いわゆる集中治療室と呼ばれるHCUやICU、SCUでは栄養サポートチーム加算が算定できませんし、またサポートチームの介入が義務付けられていないなど早期からの介入体制は整っていません。確かに、年間40兆円と言われる中、加算は厳しいかと思われますが、反対にもし介入がなければ「減算」となれば、また話は別、一気に関心が高まるのではないかと思います。

一方、早期リハビリ加算により、発症してすぐに離床、ADL改善にむけて取り組みは推奨されており、活動量と消費カロリーは増加しています。

このように早期離床、 早期リハビリに比べ栄養の重要性を認められていないようです。

嚥下障害を呈した患者さんは?

たとえ、3食口から食べているとしても、嚥下障害がある患者さんは、普通の食事でなく食べやすい形にしたミキサー食、きざみ食などになります。こうした食形態は、加工の過程で水を加えてミキサーを回したり刻んだりするので、同じボリュームでも普通食に比べ提供カロリーが少なく、およそ8割となります。

つまり、もともとたくさんの量をたべられない嚥下障害患者は、提供された食事をがんばって10割食べても、必要摂取カロリーの確保が困難となります。これらを補う栄養補助食品など、たくさん出ていますが、食事時間以外で確実に摂取してもらうというのも、なかなか厳しい現実があるのです。

以上、急性期病院で、嚥下障害患者さんと低栄養について、まとめてみました。個人レベルの熱意で改善というのは、なかなかに厳しいものがあります。ただ、こうした現実を知っておくことはとても大事だと思います。

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