【就労支援】障害者と高齢者、共に生きる新しい社会の構築
今回は、前回の内容の続きになります。
増田さんが上田先生宛に書いた手紙の内容になります。
——-手紙の内容——-
理念は、親亡き後、介護者なきあと、その地域で働いて、その地域で高次脳機能障害とともに、みんなで暮らす。
その場所、働く場を作ろうということが、大きな目標になりました。
誰も1人にさせない、みんなで助け合う。
いちごえ会の「いちごえ」は、みんなで一声を掛け合うということです。
どんな形でも発症前の能力は、残っていますから、それを活かした仕事、そして高次脳機能障害になってもできるように仕事の整備、
いわゆるカスタマイズ就労、これをやりたいなと思っています。
もう一つは「住む」です。
親子も、夫婦も、高齢になっている。
元気な会員が、ヘルパーになって、みんなが住む
賛同した1人暮らしの女性なんか、みんなが一緒に住みたいなと。
今の状況でいくと、高齢者は高齢者施設、そして障害のある子どもは障害者施設という、全部バラバラです。
一つの輪の中で作り、高次脳機能障害を知っている人がそこで働く
そういう仕組みを作りたい
しかし、法律が非常に錯綜していて、難しいのですが、
法律は後追いですから、まずはやるしかないかなと。
学生さんたちが、いちごえ会の会合に来てね、そういう人たちが問題意識をもって、福祉とか介護の世界を、どんどん出てきて、新しい
センスで、どんどん変えていってほしいと思います。
わかりやすく言えばですね。制度がもしかしたら、障害者を作ってるんじゃないか
その制度の運用をどっかでアレンジ、それをうまく運用する。
その運用の部分で、もっと頭が柔らかい人が出てきたら、もっと生きやすくなると思っております。
介護費用も倹約できるのではないかと。
老いた親が、障害をもった子供と一緒に暮らす。
それは、ある意味、生きがいになるのではないかなと。
ぜひ、一緒にやりませんか
——-手紙の内容は以上です——-
みなさん、どうですか?
カスタマイズ就労。本質をついた言葉ですね。1人、1人の、持てる能力と障害による困難さが違うわけですから、一律の支援では難しいわけです。
制度が障害者を作っている。少し違うかもしれませんが、以前、脳性麻痺の玉木幸則が、
「山の上の施設で育ったので、普通の生活体験をしていない。だから、できる、できないでなく、そもそも知らない」と語っていたのを思い出しました。
私が経験した症例では、脳卒中の後遺症で障害のあるお母さんは障害者施設、小学生の子供は養護施設とバラバラに暮らすことになりました。
施設で不安になった子供の言動がおかしくなってしまい、どうしても子供と一緒に暮らしたいと願うお母さんは必死のリハビリをして、そしてケアマネの尽力と地域の支えで、元のおうちに戻ることになりましたが。他にも、ちょっと1人暮らしが厳しくなった高齢者も、施設に入って何もしなくなると、認知症がすすむ、こういう例は少なくないと思います。
余談ですが、増村さんにあった時の衝撃は、忘れられません。
熱い想いと、行動力、そして静かではあるが力がこもった語り口。周りを巻き込むパワーがすごくて、初対面にして、すでに同志感がすごかった。
そして、これまでお会いした人の名刺がずらっと入った名刺ファイルは、圧巻!ひそかに「黒皮の手帳」と呼んでいます。
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