高次脳機能障害と就労を考えるNo2ーReジョブ大阪活動メンバーのインタビューから
NPO法人Reジョブ大阪では、失語症・高次脳機能障害がある人達と一緒に活動しています。
その中でも「高次脳トリオ」というグループを作っている合田さん、小川さん、島本さんの3人をご紹介します。
それぞれ発症した時期も、後遺症も、今いる環境もバラバラで、リモートでしかお会いしたことがないのですが、絶妙なコンビネーションで活動されています。
前回に引き続き、島本さんが、インタビューした内容をお伝えしたいと思いますが、今回は、割とタブーであり、核心にせまる内容ではないかと思います。
合理的配慮はどのようにして獲得するのか
見えない障害である高次脳機能障害、特に記憶に課題がある小川さんは当初、職場には謙虚に配慮を求めていました。
記憶障害があるために、モニターでなく紙ベースで仕事をすすめていたら「紙がもったいない」と言われる。
障害者のふりをして甘えているなど、全く聞き入れてもらえません。そこで、態度を変え、法的な権利を強く要求するようになったところ、上司の態度が変わったと語っています。
一方で、島本さんは障害者それぞれの状況は異なると指摘し、小川さんの対応が万人に通用するわけではないと、冷静にコメント。
島本さんは、左半身麻痺があり車椅子ユーザーで、障害が見ためでわかりやすい。見える・見えない障害の違いもあり、お互いに理解を深めながらバランスの取れた対応が大切だと総括しています。
すぐに理解が得られないとしても、言わないと伝わらない
この対談では、島本さんならではの鋭い突っ込みにより、高次脳機能障害者が、職場で日々どのような課題に直面しているのか、周囲の人たちの理解を得る難しさ、そして主体的に権利を主張することの大切さなど、興味深い内容が語られています(一部、ひやひやするかも)。
合理的配慮を強く要求するようになった小川さんの姿勢の変化は、障害者が自らの権利を主張することの重要性を語っていますが、一方で、島本さんは「合理的配慮はマナーである」としつつも、冷静に交渉をしていく態度が大事なのではないかと話しています。
はっきりいって、それぞれの方の環境や、性格によって、考え方は多様であって当たり前なので、こうした対談をみていると「障碍者はこうしましょう」と、ひとくくりにする支援や配慮は全く意味がないというのを、つくづく感じます。
対談動画はこちらから↓↓
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