コロナ禍の間、会話力が落ちてしまった!会話能力の低下について~言語聴覚士のお仕事~
今日は、言語聴覚士のお仕事について書きます。
先日ある雑誌の取材を受けました。60歳以上の女性が購読者に多いこの雑誌、コロナ禍が明け、お友達と久しぶりに外で会ったら、会話ができなくなっていたと言う話です。ぼそぼそと相手も自分も発話が以前ほど明瞭でなく、会話のやりとりも弾まない。なぜなのでしょう?という内容でした。
これは、2つの原因があります。筋力低下と、脳機能の低下
筋力低下は、驚くほど速くすすむ
1つはおうち生活が長く、話す機会が激減、それも小さな声でしか話さないことによる筋肉低下。お口周り、舌だけでなく、呼吸や発声にかかわる筋力の低下です。筋力とは使わないとすぐに低下してしまいます。さらに、年齢が高くなると、低下するスピードは加速傾向。びっくりするくらい、私たちは通常の生活では動いていません。バリアフリーが進んだのはよかったですが、同時に、筋肉を使わない生活になっています。それだけでなく「外出しない、運動しない→おなかがすかない→小食になる→栄養が不足する→筋肉が減る」という負のスパイラルも考えられます。
こうしたことが、お口周りや舌の筋肉にも言えます。さらに声の大きさを調整する呼吸筋、声帯、こうした筋肉も低下し、ぼそぼそとした話し方になるのです。
会話能力、脳機能の低下もすすむ
もう一つは、脳機能の低下です。会話というのは、相手の話を瞬時に理解し、それにあった内容を相手に投げ返すことによって成り立ちます。そのとき自分の頭に浮かんだ考えをまとめたり、過去の出来事を思い出したり、まあまあいろんなことをやっているわけです。おまけに、相手の反応をみて、言い方を変えたり、内容を変えたりします。こうして会話のラリーが、どんどん盛り上がっていくわけですね。頭の回転が速いってこういうことです。
こうした頭の回転、つまり、脳における情報処理(インプットからアウトプットまでの)スピードも、もちろん使わないことによって低下します。というか、筋肉よりも低下のスピードは速いです。人間は、高度なものから低下していきます。理解するのにちょっと、自分の話をするのにもちょっと、こうしたちょっと、ちょっとのスピードが低下すると、「あれ?会話が盛り上がらないわ」ってことになります。
筋トレ、脳トレで改善を目指そう
がー--ん!となった人、でも大丈夫。鍛えたら改善します。筋肉のほうがより簡単です。方法は次回お伝えします。オンライン言語リハビリでも、やればやっただけ、声も会話も改善している人がたくさんいます。80歳超えてもOK!筋肉は裏切らない♪
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