私は言語聴覚士になって、もう、どれだけの人とお会いしてきたのだろうか。病院に勤務しているときは、患者さん、家族さんだけでなく、職員もたくさんいる。こう考えると、すごくたくさんの方とお会いして、そして話をして来たな・・と感慨深い。 言葉の裏にある言い訳 言語聴覚士という仕事は、コミュニケーションが苦手になった人を支援する...Read More
私は言語聴覚士として、20年以上、脳卒中や頭部外傷による後遺症がある人、またはパーキンソン病などの進行性疾患の方に対して、コミュニケーション支援を行ってきた。そして2018年にNPO法人Reジョブ大阪を、2019年にオンライン言語リハビリを事業化した。ま、起業の勉強もせずに行動したものだから、数年はぐちゃぐちゃだった。...Read More
失語症・高次脳機能障害症がある人の、退院後の生活を当事者や家族の方にインタビューをして、毎月冊子にまとめています。この取材の応じて下さる方は、みなさん、同じ立場の人たちに、何か参考になれば、光になればという気持ちをお持ちの方が多い気がします。 冊子「脳に何かがあったとき」交流会を開催しました インタビューは1時間~1時...Read More
今年、養護施設に通う子供が進学を希望したときに、資金を提供する団体「西脇基金」のチャリティにご縁があって参加した。そこで聞いた衝撃に数字が 1945年終戦後、戦災孤児になった子供たちの数よりも、今、家庭で養育が受けられず養護施設などにいるお子さんの数のほうが多い ということだった。日本全体の人口が違うので、一概に比べら...Read More
今回は、子どもの高次脳機能障害についてです。 この障害は、6ヶ月から学童期までの子どもたちを対象としており、成人とは異なる疾患です。 原因としては、頭部外傷、脳炎、脳症、低酸素脳症(例えば、溺れることが原因)、そして小児でも脳梗塞や脳出血などの脳血管障害が考えられます。これらの脳損傷の治療を受けた結果、後遺症としててん...Read More
前回の続きです。 失語症は通常、時間をかけて改善していく障害です。しかし、昨今の医療情勢や回復期病院のFIM効率の観点から、失語症者は回復期転院が難しく、リハビリ終了が実態となっています。 残念ながら、失語症の言語機能は脆弱で、使わないと低下し、退院後にもっとも改善できる時期が過ぎてしまうことがあります。 適切なリハビ...Read More
前回の続きです。 ここで、リハに関する診療報酬の流れについて整理してみます。 2002年、リハ体系の大幅な見直しとともに、言語聴覚療法の施設基準が設けられ、言語室の環境を整え、常勤で言語聴覚士を雇用する病院が増加しました。 2006年、疾患別リハ制度の導入とともに、リハ算定期限が定められました。脳血管疾患は6か月までと...Read More
今日は、失語症のリハを担う言語聴覚士の現状についてお伝えしたいと思います。 2019年に実施された「脳卒中患者・家族アンケート」調査結果の5つのポイントに「失語症という後遺症に対する支援や理解が不足している」が挙げられていました。 数ある後遺症の中で「失語症」の名前だけが掲載されていることに驚きましたが、それだけ多くの...Read More
今回は、高次脳機能障害を抱える方と関わる私たちの役割についてです。 ここまで、高次脳機能障害をもつ方におけるACP(アドバンスケアプランニング)について、ケース検討を交えてまとめてきました。 高次脳機能障害は見えない障害で、本人や家族の希望が一致しないことがよくあります。また、医療従事者が病状を正確に理解できていないこ...Read More