私は脳神経外科病院に勤めています。担当する入院患者さんは、急に具合が悪くなり救急車を呼んだ人、倒れているところを発見されて運ばれてくる人、なんか変だなと思って「とりあえず脳の病院にでも行ってみるか」と気軽な気持ちでくる人など、当院に来るきっかけは様々ですが、共通していることは「いきなり来て入院になった」です。 重症度も...Read More
積極的なリハビリを行うと、改善する可能性は高まりますが、必ずリスクが伴います。それでは、何もしないほうがいいのかというと、改善しないだけでなく、今度は廃用症候群により悪化するリスクがあります。どちらを選択しても、リスクが伴うのです。これらリスクについて話し合い、理解した上で、何を選択するのかを、当事者・家族・医療関係者...Read More
私は、脳卒中、頭部外傷などの脳損傷者のリハビリを担当しています。この数年の関心ごとは 就労支援、社会復帰です。介護保険制度、年金制度、生活保護により、「お金」の確保ができる制度はあります。お金が入って、経済が安定することだけが、果たしてゴールなのでしょうか? 医療リハビリの期間が短縮される傾向にあるなか、とりあえず、経...Read More
私の仕事の一つは、言葉がわからなくなる失語症や、記憶や注意力や、段取りや判断能力(遂行機能といいます)が低下する高次脳機能障害を呈した人のリハビリです。勤労世代であればリハビリの目標として「社会復帰」を考えます。これは会社に勤めるという狭い意味でなく、専業主婦でも同じで、その人がなんらかの形で社会に貢献する、つまり社会...Read More
脳梗塞や脳出血、くも膜下出血または頭部外傷など、何らかの脳損傷を負った後に、これまでできていたことが苦手になる人がいます。注意・記憶・遂行機能力が低下する高次脳機能障害が原因です。例えば、パソコン業務が遅くなる、会議で何がテーマになっていたか忘れる、仕事の段取りが悪くなったり優先順位が決められない、1時間ほど作業すると...Read More
こちらの当事者の手記をもとに記事を書いている「高次脳機能障害者の声なき声」です。今日は、大阪市内で交通事故被害者家族ネットワークの支援集会に参加してきました。やまぐちクリニック院長である山口研一郎先生の話でも、この「感情抑制」について話題に上がっていました。感情抑制ができないことは、周圍の人も当事者も大変苦しむ社会的行...Read More
このシリーズ5回目の記事です。以前の記事はこちらをご覧ください →口から食べられなくなったらどうしますか? 口からご飯が食べられなくなる嚥下障害は、脳卒中や進行性疾患など様々な原因で生じますが、その中で最近注目になっているのが低栄養による嚥下障害です。中には清涼飲料水などエンプティーカロリーのものばかりを食べ、肥満なの...Read More
前回、情報収集は何のためにするか?について書きました。そうはいっても「何が必要なのかがわからない」とよく言われます。あたり前かもしれないですが「入院前と退院後の生活」がどうなのか?という視点で情報収集をしていきます。 入院する前の生活は? こちらあくまでも言語聴覚士という職種で必要だなと思う基本的なことを挙げてみました...Read More
新人のセラピストにとって、やっと半年が経った今日この頃、担当している患者さんや利用者さんについて悩み深い日々を送っているのではないでしょうか。最近はコミュニケーションに苦手意識があって、職場の先輩に相談したり、他の職種の人から情報収集することを躊躇するセラピストも多いと聞きます。 私が言語聴覚士になったころは、ほとんど...Read More
言葉がわからないわけでもない、話ができないわけでもない。でも、人と会話ができない、テレビを見ても何がおこっているのかわからない・・高次脳機能障害者の声なき声で、書き続けている患者さんの手記からです。 情報の処理速度が遅いんです。しゃべるときってみんな早いでしょ。だから相手が話している内容が理解しにくい。早口でいろいろ言...Read More